2024年4月の記事

妹島和世、永山祐子、鈴木啓太がフランク・ロイド・ライトの名作照明を再解釈

オーガニックハウス, 波多野のブログ / 2024/04/06

 

照明メーカー、 YAMAGIWAが、 建築界の巨匠、 フランク・ロイド・ライトの生誕150周年を機に2017年から スタートした、名作照明 「タリアセン」のオマージュ企画第3弾が公開された。 ライトが手がけた作品が世界文化遺産に登録された記念すべき今年、 コラボレーションを果たしたのは、建築家の妹島和世氏、建築家の永山祐子氏、プロダクトデザイナーの鈴木啓太氏の3人だ。

フランク・ロイド・ライトは、 ル・コルビュジエ、 ミース・ファン・デル・ローエと並ぶ20世紀を代表する3大巨 匠建築家のひとり。 そのフランク・ロイド・ライトの名作照明が 「タリアセン」 だ。 YAMAGIWAは、 米国のフ ランク・ロイド・ライト財団の全面的な協力のもと、現存する図面の検証・ 現地調査を行い、厳正な試作検査を経て、1994年に復刻版 「タリアセン2」を発表。以来、20年以上この作品の生産販売を行ってきた。そして、ライトの生誕150周年を期に、 2017年から国内外で活躍する作家による 「タリアセン」のオマージュ作品を毎年発表し、 新たな歴史を刻んできた。

妹島氏のオマージュ作品 「FORM OF LIGFT」 は、まずその見た目に度肝を抜かれる。 素材は透明なアクリル球だ。 「タリアセンのように同じ形が連続することで裏表のない、 360度どこから見てもきれいな形として空間に現れる。 時間の移り変わりや置かれる場所によって、さまざまな表情を見せ、柔らかい光がカタチをつくる」 という。 軽やかでありながら、 まるで彫刻のような作品。

また、圧倒的な繊細さと表現力を放つのが永山祐子氏のオマージュ作品 「TALIESIN LIGHT」 だ。 「素材を薄く細く突き詰めることで構造物としての存在は消え、さらに遮光板のスチール表面に風景が映り込むことで空間に溶け込み、光だけが浮かび上がる」と語り、細かなディテールにこだわりつくすことで照明の新たな可能性を引き出した。 そして、予定調和を吹き飛ばしたのが、 最新の3Dプリント技術や陶器を用いながら、フランク・ロイド・ライトの挑戦心に寄り添った鈴木啓太氏のオマージュ作品 「TALIESIN ELEMENTS」。「ライトは帝国ホテルのタイル制作では、新しく工場まで作ってしまった。 そのモノ作りのスタンスから、3Dプリントで成形したセラミックパネルと、日本の伝統的な焼き物技術の融合を目指した」と熱弁する鈴木氏だが、プロダクトデザインを中心に、 プラニングからエンジニアリングまで手がけているからこその賜物といえる。

 

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